チェッカーズ 高杢禎彦:著
図書館で通常文庫本を選ぶ。そのわけは、ヨガマットの上で小説を読みながら、脚を多少動かして、運動もどきをするため、本は小型で軽量に限る。
それが、”チェッカーズ”の文字が目に入り、今回は、大きな本も1冊、借りてしまった。
実は、この本には、期待も何も求めてなかったのですが、読み始めるとなんてことでしょう。
ヨガマットの上で多少重くても、腕力を鍛えながら読み続けた。
この本は、インタビューを受けながら、ライターが執筆したんだと思って読んでた。小学生からタバコ、そしてシンナー、喧嘩三昧、番長、、、どこにも本に結び付くものがなかったから。
高杢さん、本当に失礼いたしました。
福岡弁に、ちょっと不良ことばが混じったような口調で書かれている。
彼の言いたいこと、感じたことがあふれ出し、それがそのまま文字化した感じ。
癌で胃だけでなく、他の臓器も全摘。食道の一部も。
一度、死を覚悟すると、これほどまでに人間変われるんだ。
いままで見えなかったものが見えるんだね。
彼が生還できたのは、彼に助言してくれた人たちをしっかり受け入れて来たからかもしれない。
すごく守られている人だと感じた。
自分に正直で曲がったことが大嫌い。
幼馴染や高校生の時に知り合い結成したチェッカーズを続けたかった彼の気持ちはわかる。
しかし、ずーっと時代の波に乗り続けることは難しいし、音楽はなおさら、人それぞれの目指す方向に向かって行くのは自然なことだと思う。アマチュアの頃と違ってプロなんだから。
この本には書けないような、もっと、悔しいことがあったんだろうね。断片だけが見え隠れしている。それを全てぶっちゃけてないのは彼の優しさかな。
彼はミュージシャンであり、俳優、タレント。
この本から、彼の人を惹きつける物書きの素質を感じた。
癌に感謝を述べていたけど、癌を患わなければ、この本は世に出ることはなかったはず。
いい本で出合えて感謝です。