画像引用:4k8k-kusatsu.com
最後の結末に”そうだったのかぁ”と唸ってしまった。
篠田真由美著 「閉ざされて」
人の死体なのか、水界に住む妖精なのか、人のような形のものが神秘的に浮かんでいる様子から物語は始まる。
ーーー白い霧の切り端が漂う水面のわずか下に、、、、顔を上にして浮かんでいる一体のむくろーーー
舞台は函館ー訪れたことがある場所だ。
学校帰りに公園にたむろする素朴な高校生達、ごこにも不良っぽい学生は見かけなかった。ちょっとびっくり!
高齢者が🍔ハンバーガーショップで元気に働いているのもほほえましく、とっても気分のよい旅行だった。
小説に話を戻すと、
自分が醜いからと古い大きな屋敷に閉じこもる18才の女の子が東京に住む兄に宛てて書き綴るノートが物語る。
病に伏し言葉も不自由な資産家の父親。母親は彼女を産んだ後自殺。二人の娘を持つ後妻。この異母姉妹によってシンデレラごっこと称していじめを受ける。
暗い背景だが、推理小説だからか、それほどの陰湿さは感じずに読めた。
私が鈍感だからだろうか、ごく自然に読み進み、結末はどんでん返しではないのだが
オーッ!
なるほどね。そうだったのか。。。。と感嘆してしまった。
しかし、レビューには、「最初から結果が見え見えだったが、面白かった」と書かれてあった。
薄々気付くのが普通なんだ。
言われてみれば、至る所にヒントがちりばめてある。
鈍感なんだなぁ~ 私は。
アンテナを張り巡らせることなく、頭を使わず読み進めたから気付けなかったのだろうか?
最近、脳の衰えを感じているのは確か。
小説には、結果この人がこうでした。とは書かれてはないが、
最後に一気になぞが解けて、ほんとに面白かったし、心地よかった。
途中で気付けなくて、かえって良かった。
こんな感じの小説が好きだー今は。
複雑すぎて、何度も読み返さなくてはならない推理小説よりも。
かなり前になるが、手に入れた無料券である人と映画を見に行った。この小説に似たような推理物の日本映画。
「結局、あの警官が犯人だったんだね。」観終わって私が言うと、
「あーそうだったんだ。」 まさかの拍子抜け返答。
その映画は、交番勤務をやめて、故郷で暮らすからと、段ボールを運ぶ引っ越すシーンで終わった。盗まれた大金はあの段ボールの中だ。
シーンを思い返せば納得がいく。
犯人が誰だか不明のまま終わる映画ってあるかなぁ。
わからなくても、気にもせず、家路に向かう彼女には脱帽した。